ピアノソロアルバム ベスト10
いつか、ピアノソロの名演だけを聴くイヴェントシリーズをやってみたいと思っています。各国音楽のスペシャリストをコメンテーターに招いて、ご専門の国のピアノソロアルバムや素晴らしいピアニストをご紹介いただく、というものです。その前哨戦として。ご興味のある「専門家」の方は、ぜひご連絡下さい。
01
Leszek Mozdzer / Chopin Impresje
現代ポーランド音楽シーン最高のアーティストの一人、モジュジェルがデビューアルバムのテーマとして選んだのは母国の大作曲家ショパンのジャズ化でした。これがまたとてつもない名演。ポーランドジャズ聴き始めの時に購入してドタマかち割られました。
02
Febian Reza Pane / Sweet Radiance
確かヤフオクかどこかで、何かを落札するついでに落としたものなのですが、一生手放せない作品になりました。体の具合が悪い時に聴いて治してくれる音楽なんてこれだけです。二日間で録り上げた三枚組。パネが時々ふわっと洩らすヴォイスもいい味出しています。
03
Maurizio Pollini / Chopin - Etudes Op.10 & Op.25
ショパンの音楽の「肝」はグルーヴ。そして、そのグルーヴを表現するために、超絶技巧の奏者のみに許された「音色」が必要なのだと考えています。決して「リズミカルな演奏」を目指すということではない。完璧な発音を成してしか生まれないグルーヴがあり、ショパンの音楽にはそれが欠かせないのです。という「妄想」に思い至ったきっかけとなったのがこのポリーニの演奏。一般に言われる「ショパンの音楽はリズムが大事」ということと私の意見は違うのはお判りでしょうか?
04
Krystian Zimerman / Debussy - Preludes Book 1 & 2
真に美しい音は、どれだけ音量を上げてもうるさくならない。初めてこの演奏を聴いた時そのことを知って、かなり衝撃を受けました。数多いピアノ独奏曲の中でも最高傑作の一つを、最高の演奏で。まさに無形世界遺産。
05
Andre Mehmari / MPBaby - Clube da Esquina
幼児向けに録音されたものらしいのですが、老若男女全てがじっくりと聴ける最高のピアノソロアルバム。ミナス「街角クラブ」の面々がいかに優れたコンポーザー揃いだったかということも痛感させられます。
06
Egberto Gismonti / Alma
ごく一部ピアノソロじゃないところもありますが、音楽大国ブラジルの天才中の天才によるベストセレクション的ソロアルバム。彼の演奏を聴くと、ショパンとは違った意味で「音色がグルーヴに作用する様」を感じることが出来ます。
07
Various Artists / Piano One
坂本龍一、エディ・ジョブソン、ヨアヒム・キューン、エリック・ワトソンという凄腕4人がピアノ独奏の腕とコンポジションの冴えを競い合った傑作企画盤。教授のピアノソロヴァージョンによる「戦メリ」などなど、収録曲全てが名演の奇跡のアルバム。
08
Mieczyslaw Kosz / The Complete Recordings of Mieczyslaw Kosz
ポーランドの夭逝の天才ピアニスト、ミェチスワフ・コシュの集大成二枚組。一部コンボによる録音も含まれますが、彼のソロピアノの妖しい輝きをたっぷりと味わうことが出来るアーカイヴ。やられちゃう人続出の素晴らしい演奏がたくさん詰まっています。
09
Jasper Van't Hof / At The Concertgebouw
オランダの鬼才が母国のクラシックの殿堂コンセルトヘボウに乗り込んでぶち上げた一世一代の名演。彼独特の執拗なミニマルパッセージは、聴き手をやがてふわふわと空中に連れ出してくれます。時々無性に聴きたくなる傑作。
10
Michel Petrucciani / 100 Hearts
ピアノソロという演奏形式にほとんど興味がなかった私を夢中にさせた作品。さすがはペトちゃん。彼のソロもこれまでちょこちょこ出てますが、個人的にこれを超えるものはありません。タイトル曲が決め手なんですよ。
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