総無職手取り20万イカ人類。
そろそろHPとか作りたい。
演劇/club/最近はよく競馬
01.
Kamui
RAFRAGE
ここから抜け出したい。

反抗の衝動。だけど置いていかれ、空ぶって負債を背負って身動きがとれない。
だけどまだ自分を信じていたい。まだ今より美しくなれると信じていたい。希望を捨てたくない。

そんな時に届いたKamuiのアルバムだった。


例えばDaveのようなメンタルヘルスの問題、RAGEミュージックの日本翻訳、盤外の話題も用いたストーリーデリバリー、
それらをすべてひっくるめて客観的評価としても、
自分が今年一枚選ぶならという主観的評価としても、
このアルバムしか2023年のベストアルバムは考えられない。
今年初期に「HONNE」という曲でralphとのビーフを繰り出し(年内に平和的に解決)、
しっかりヒップホップの聴衆をひきつけながらこのアルバムの完成にもっていった。
一曲目から奏でられるRAGEミュージックは、Trippie Redd「Miss The Rage」というより、SoFargo「Off The Map」の旋律に個人的には近く、
暴動というのより何かしら物悲しい、チップチューンの叙情を借りるようなトラックがアルバム大半を占めている。
はっきりと前半と後半でわかれ、アグレッシブな前半が「Late Flower」以降内省的な曲へとシフトチェンジする。

「恥ずくて言えなかったな KOHHと同じ年」(Late Flower)

と自嘲するKamui自身がエイジズムやメンタルヘルスといった問題にぐちゃぐちゃにされなかがらそれを

「反吐 自己嫌悪 ならいっそもう 捨てずにモチベにする」(Critical)

と言い切り、
それを「悪魔を飼い慣らす 支配するのは俺がする」と置き換えるとき、まるでアニメやゲームの主人公のようなKaumiの姿が立ち上がり、そしてまたトラックとも共振する。

「俺は障害や年齢で何かを諦めることはしない」

この言葉を誰かが言ってくれるのを俺はただ待っていただけなのだ。

「俺のアルバム3枚 誰も超えらんない」
「金さえあれば出せるあと7枚」(PATHWAY)

この言葉と自分の人生がシンクロするのを。

ペインを抱え、黙って自死していく日本人の男性は多く、それはメディアにもわずかにしか取り上げられない。
「孤独死」として死ぬことが関の山でも、自分の物語を抱え生き抜くKamuiのようなチャレンジャーが存在する。
それだけでこの人生を生き抜く力に、誰にかにとっては僅かになる。
このアルバムを2021年のmoment joon「Pasport & Garson」、
2022年のlIlI「TEXTURE」の隣に置こう。
近くにはSKBのあのアルバムもあるだろう。
そしてこの2023年は、Kamuiだけでなく、Jinmenusagi、AMOといった、
長い期間シーンを生き抜いた男のラッパー達が良作をだした年であることも書き留めよう。
この国で傷つきながら生き抜くユース、ティーンネイジャーたちのための棚に、等しく今Kamuiの作品が並べられた。
RAFに、RAGEに生きろとKamuiは叫ぶ。
俺もあと少しは、もう少しは、そう生きようと、そう願う。
02.
HMLTD
The Worm
ここから抜け出そう。

でも、どうやって? 簡単さ、一つの本を思い浮かべればいい。君が夢中になった小説や絵本のように。
いつだってその時君はこの場所を抜け出している。
そのために間違いなく、いくつかの本は、物語は、作られている。
さあ、その物語の中に足を運ぼう。そこにはスマホも、会社も、夢も、希望もなくて………虫が支配している。

HMLTDというバンドに対する僕の期待はひとしおだった。
デビュー曲「Stained」(2016年!)の衝撃。
間違いなく新たなklaxonsの登場だと思った。それよりもドラマチックでけばけばしくて、それがまた2010年の世界らしい。
彼らの世界に宇宙やバロウズはいない。あるのは血と耽美と、劇場的なケレンみ、「Kinkaku-ji」なんて曲まで出した。
明らかなUK発の知識階級からの一撃。本当にすべてを変えてくれる気がした。
しかし、現実は苛烈な現実を彼らに用意した。メジャーとの契約でまとまって出るはずの作品群は結局まとまらず、tugboatから出した、
ようやくの1st album(2020年)、十分奇抜ではあったが彼らの疲れが見える作品だった。もっといけるはずだった。

それから3年。彼らはやってくれた。
Black midiのキーボーディストの助力を借りながら、フロアから全く離れ、一つの物語の完成に尽力しきった。そしてそれは見事に現代を打ち抜いた、と、思う。
自分はこのアルバムで描かれている物語を完全には理解できておらず、それが書かれたであろうHMLTDの公式物販のブックスに、日本語訳などは存在しない。(なんなら来日もしないし、でも今年韓国には来てたらしいじゃん。ほんとうにXXXXXだよこの国は)
だが、それでも、この物語がさまざまな場所、さまざまなメンタルヘルスの問題に向き合いながら、ハイライトともいえる、
このアルバムのほぼ3割以上の魅力をかっさらっているといっても過言ではない「Past Life(Sinnerman Song)」へなだれ込んだ時、
一つの物語の観客として、いや、登場人物として自分が物語の滝の中に真っ逆さまに落ちていくような衝撃を感じた。
今まで愛した物語たちがそうであったように。
心と脳の中で、あらゆるものが接続し、自分と物語が分離不能になっていく。
ニーナ・シモンが60年以上も前にうたった「Sinnerman」のリリックが、自分の心にグサグサと刺さり、魂に侵入していく。

だけど神にこう言われたよ
『地獄へ行って悪魔に頼め』
「地獄へ行って悪魔に頼め」
そんなひどいセリフを
神から浴びせられたんだ
その時に
(Nina Simone/Sinnerman)

「Past Life」でついにHMLTDは、あの「Stained」で見せつけたケレン味を進化させ、待っていた僕たちにたたきつける。
僕たちを、ココから一時、連れ出してくれる。
おかえり、HMLTD、ヘンリー・スピカルスキー、心の怪盗団、ジギー・スターダスト。
圧倒的な、敗北を超え、意味を超えた、物語の勝利。
03.
JPEGMAFIA x Danny Brown
SCARING THE HOES
ここから抜け出そう。

無茶苦茶やってやる。
あのサンプリングを無断でやってやる。ジャケをパクる。「HOE」と叫んでやる。どうせもう匙を投げられてる。あいつらは主張しない、俺らは主張してやる。
どこまでも自由に。どこまでも無茶苦茶に。どこまでも変態に。

「伊井」と書かれたTOYOTAのジャージをまとい歌った、昨年のフジロックの雄姿の記憶も新しい、JPEGMAFIA。
40代を迎えたニヤニヤ笑いのジャンキーラッパー、Danny Brown。

もとより変態的な二人がコンビを組んで生み出したこのアルバムは、まさに自分の理想とする破壊のHENTAIの美だった。
我々が喜ぶ日本ネタガジェット満載…
(坂本真綾「約束はいらない」をサンプリングした「Kingdom Hearts Key」(ゲームですか)やジンギスカンのCMとファミコンの「テニス」を組み合わせた「Garbage Pale Kids」)
さらに人をおちょくったタイトルの数々…
(ジャズ系のサンプルを多用しまくる「Jack Harlow Combo Meat」、80年代R&Bシンガー名とひっかけた「Orange Juice Jones」「Run The Jewels」は…リスペクトかも)

しかし、単なる馬鹿が無秩序をやりゃなんも美しくないのは皆さんご存知の通り。
SP404のみで作り上げたという制約、そして同年に自らの年齢に対するネガティブをぶちまけた「Quaranta」というアルバムを出したDanny Brownの姿を盛り込んで、
この破壊の美はさらに輝く。このジャケットの美しさも(1973年映画「Sweet Jesus, Preacherman」の明らかなオマージュ)。

変態的な楽しみへの耽溺しか、奇跡という美は起こりえない。


G o d L o v e s M e。
そう、間違いなく。
その確信なきものは、この門(アルバム)をくぐれない。
アルカディアへようこそ。こんな街ですが殺しだけは勘弁ですぜ。
04.
Shurkn Pap
JIYU
ここから抜け出そう。

どこまでもスムースに。
車のキーを入れて、横には滅茶苦茶にイケてる彼女がいて。

あ、俺に彼女はいない。車はおろか免許すら持ってない。
だけど俺にとって退勤中や移動中に聞く尊い音楽として、
この姫路出身のラッパー、Shurkn Papの今年のアルバムを挙げたい。
自分でビートを作らないラッパーができることは、ビートを「揃える」ことだと自分は思っていて、
それができるラッパーはいいアルバムを作れる。
(それか、tha blue herbのように一人のビートメイカーとがっつり一つのアルバムを作るか)
その理想的アルバムの一つにこのアルバムがあるだろう。下手にすっとんだBPMの曲はなく、
かといってブーン・バップとも違う、どことなく南の国のダンスホールのようなトラックの上で、スムースにラップを繰り出すShurkn Pap。iriや一十三十一のようなシティポップの次にサジェストされてもおかしく無い。


あのKillaのBLAISEがfeatした「日々を映画に」がこのアルバムのハイライト。
日々に色を足していくだけで…そうラップするとき、目の前の日々の景色が、間違いなく少しビビッドに色づく。
そんななんてことない傑作としてのアルバム。

と…結ぼうとしたらこのアルバムの詳細をネットで調べて驚愕

「なお、本プロジェクトは日本を拠点にアジアの音楽カルチャーを発信する〈bpm plus asia〉と、日本初のヒップホップ専門メジャー・レーベル〈Future Shock〉のBrooklyn Yas、そして〈M.A.U Collective〉の協力によって実現した、アジアの文化や伝統の橋渡しを目指す『Future Shock project』の一環だという。>」

「今作にはKANDYTOWNのRyohu、ベトナムからサバイバル番組『Rap Viet』1stシーズンに唯一の女性ラッパーとして参加し注目を集めたtlinh、フィリピンから数々のヒット曲を発表しているLipipといった先行シングルに参加した面々に加え、新たにインドネシアからは音楽プロデューサー/ミュージシャン/俳優など多彩な顔を持つRayi Putraをフィーチャーした「ROSE」、MADz’sのKohjiyaを迎えた「今宵 <Tonight>」など全15曲を収録。」


…うん、見事にワールドワイドな、
でも本当になんてことない、素晴らしい傑作。
05.
NewJeans
NewJeans 2nd EP'Get Up'
年末に紅白歌合戦をぼーっとみている自分がいた。
話題になっているNewJeansを見た。「ETA」のダンスがいいと思った。
彼女たちは、ほぼトリともいえる気合の入ったYOASOBIによる「アイドル」のショーでも踊った。
それ以来、年末年始はこのグループのことをyoutubeでちょこちょこ見た。
はい、NewJeansおじさんの完成、で終わればいいのだが、実はこのグループをベストアルバムに挙げた理由は、何よりこのグループのプロデューサーの存在だった。話題になっている250の方ではない。なぜ気が付かなかったのだろう。
1st EPのremix集である「NJWMX」にはこう書かれてあるではないか。

「FRNK Remix」

そう、FRNKとは、自分が2019年にこのサイト、ecrnで一位にした韓国のラップデュオ、XXXのトラックメイカーだった。
その2019年のアルバム「Second language」を聞いてほしいが、UKのnight slugsやダークなムードを出していたあのトラックメイカーが、
このK-POPという、もっとも光が狂気的にまでまばゆい場所でフロントラインを張り、勝ち続けている。
なんという痛快なことか。
衰退を隠し切れなくなり、内側の醜い裏側の無茶苦茶な事情がただただめくれていくだけの日本の芸能と違い、もはやグローバルな超合金ポップを作るようになったかの国で、EDM的なビッグな音からUKにつながるスムースな音へすり抜けた新たな名牝のサラブレッド。
(そういえば「Ditto」を聞いたとき(なんかミニマルなトラックだな…Joeのclaptrapみてーだなー)って思っていたわ)
もちろんK-POPであろうと血で血を洗う無茶苦茶な資本主義的戦いが内にはあるだろう。
Abemaで放映されているKPOPオーディション番組や、
「あと3kgダイエット」と15歳のKPOPアイドルを夢見る日本の少女に平然とアドバイスする韓国プロデューサー。
しかしここには隠す必要のない狭き門がある。「弱点なんて見当たらない 一番星を宿して」(YOASOBI/アイドル)なければいけないから。
そこにしか魔法のような奇跡は宿らないから。
イクイノックスの天皇賞秋2:25.65のレコード記録のように。
TikTok向けの3分以内の尺。完璧な語彙サービス(異常なほど日本語がうまいメンバーがいてびびる)。物語のようなMVとパフォーマンスのような別MVの両揃え。
そしてパワーパフガールズとのコラボによる、夢のような「New Jeans」のMV。

「New hair New tee NewJeans Do you see」

僕らの大好きな資本主義の作り出した便利な商品、同時に新たな希望であり新たな夢、新たなチャンピオンの姿の、高機能な理想的フォルム。
抜け出せない、抜け出そうとも思わないこの世界の、美しきアイドル。
06.
Headache
The Head Hurts but the Heart Knows the Truth
ここから抜け出そう。

音楽からも。意味からも。
そして人間中心主義の概念からも。
Vegynが率いる<PLZ Make It Ruins>から現れたこのアルバムは、Vegynのプロデュースの元、AIが演奏、そこにFrancis Hornsby Clarkの言葉が、歌ではなくスポークンワードとして乗る。
その詩人についての日本語の資料もなければ、何を話されているのか、自分は理解していない。というか、それを知ろうと俺はしない。
これは7位のアルバムと同じく、自分にとっては「音楽の外」にある「音楽」であり。ストーリーの外にあり、それ故にコクーンとなる。

夢想する。意味や意義から解放された世界を。ひたすらに心地よいLCLの中の世界を。
意味より、もっと豊穣な海の中にあるアルバム。
07.
Laurel Halo
Atlas
ここから抜け出そう。

ぐにゃぐにゃになる景色。いや、俺は明日の会社のくだらないイベントの集合に間に合うように前乗りで大宮駅のネカフェに泊まるんだった。経費が出るわけない。起床は自己責任ですから。僻地でも。
その時このアルバムを聴いていた。ぐにゃぐにゃだった。風景が。
手取り19万なのに経費すら下りないネット宿泊。ばかばかしい怒りがドローンの中に消えていった。
うるさい情報も消えていった。意志も、感情も。
なんか、わずかに気持ちいい音。
いろんなこのアルバムの感想は他の偉い人のレビュー見てくれ。
ただ俺は、そういう時期にこのアルバムを聴いて心地よかった。少し怒りを忘れることができた。


その感謝があるだけである。
08.
SoFaygo
GO+
最初手帳に「8位!」と書いていたのはd4dv/Petals to Thornsだったが、だんだん印象が薄れ(フジロックで見たかったけど)Kamuiのアルバムを聴くときにRAGE関連を調べはじめ、SoFaygoのアルバムにいきついたら、
やはりこの感触が好きだったので急遽入れることにした。
RAGEの定義を「FNMNL」の記事から引用する。

「Rageとはトラップから派生したサブジャンルで、従来のトラップよりもコード感が強く、ゲーム音楽のようなエモーショナルなシンセサイザーが特徴的で、その名の通り、ハードさが魅力のジャンルだ。」

ゲーム音楽のようなシンセサイザー。
植松伸夫(彼がプログレバンドから影響を受けているのは「Tarkus」とかを聞けばわかる)、伊藤賢治、下村陽子…。
さらにそれに影響を受けたようなDV-iといった楽曲を自分の中では「ゲームミュージック」と位置付けているのだろう。
そこに一種のノスタルジーを感じない、といえば嘘になる。
でもOPNにノスタルジーを感じてひきこもるより(OPNは大好きだが)、ノスタルジーの下地で「RAGE」と叫びたい。若者に交じって。体が続く限りは。
09.
ATLUSサウンドチーム
PERSONA SUPER LIVE P-SOUND WISH 2022 〜交差する旅路〜 DAY1
ここから抜け出そう。
仮面を被り、もう一つの人格を動かし、邪悪な心を持つ人間の「パレス」へ復讐と鉄槌を。


これは2022年のコロナの嵐にいまだ抜けきれない時期にアトラスが幕張メッセで行った、
ゲーム「ペルソナ」シリーズの楽曲をライブで2日にわたって披露したライブアルバムだが、
STEAMの普及によりコンシューマの家庭機を持ってなくてもプレイが可能になったことで、
自分は今年やっと2016年にリリースされたペルソナ5(P5R)をやることができた。その折、このアルバムはよく聞いていた。spotifyにすべて投げ入れることを英断したアトラスのスタッフに感謝したい。
P3〜P5のペルソナがUIに特化し女神転生のダークでグロテスクなイメージを払拭していったころ以前の、
「女神異聞録ペルソナ」(一作目)「ペルソナ2 罪」「ペルソナ2 罰」(二作目)の楽曲をやってくれたことの嬉しさが最初は勝っていたが、自然とP5の曲も好きになってきたので、よくも悪くもこのライブアルバムは愛聴した。

ネットによりありとあらゆる意識のアップデートを要求されるこの島国では、自分の愛していたゲームにも様々な批判と意見が渦巻き、なかなか素直にコンテンツ自体をべた褒めできるわけではないが、
やはりゲームの「生きなおし」のデトックスに、自分は何度も助けられている。
時間を忘れてゲームをすることの楽しさを知れた人生に後悔はない。

そしてややひいた目線で見て、やはりP3以降のペルソナシリーズとは、
「イケメンへと転生し生きなおしイケてる仲間ともう一度学生生活を送る」
というゲームなのだろうと思った。
しかし、たまに自分のようにタチの悪いファンもいる。
P3に初期女神転生のロウカオス概念を(特にFES)、P4にいまだ「東京」という存在の影響を勝手に論じたり、
何かしら、このJRPGの物語に社会的な意味づけを求めようとする。
2016年、ドナルドトランプの登場が象徴のように、世界が変わり始める中生まれたP5は「不正と不均衡」を描き、格差や貧困を生み出す、
「(資本主義という)ゲームを仕掛けるのはだれか」
というような問題を実は無意識的にあぶりだしている気もする(※)。2023年の今の視点から見ると。
そう考えだすと、本編の物語まで含めて「River In The Desert」、「I believe」といった曲に一段と何かしらの深みを感じ取る、のかもしれない、俺は。


改めて、ゲームというひとつの箱庭で、一定の目線から自分を外し、ゲームの目線でもう一度この現実を見つめる。


あ、えーと音楽的には、聞く人が聞けば過度にJPOP的なシュガーコーティングを施したジャミロクワイやソウル2ソウルのような音楽かも。
でも俺は好きだ。
ある種のナルシシズムがあふれ出した昨今の運営体制のメッセージなどに賛否が分かれ出すのと前後し、ペルソナ製作チームはついに
ペルソナという女神転生の呪縛(岡田耕治・金子一馬体制!)を解き放ち「メタファー」という新しい物語へと出港した。

どこか、巣からとび立っていく鳥を見つめる老木のような気持ちでいながら、
(事実、学生のP5のキャラ達を、仲間というより、息子や娘のような目で見ている自分がいる気がしたもんなあ)
日本のゲーマーたちの支持をいまだ集め、彼ら彼女らの求める物語の果てを自分はただ見つめていようと思っている。

ただ、P5の物語はずっと「(ゲームを仕掛ける者の)鎖からの解放」を描いている気がした。
それは自分の心の奥底の反逆の心を勇気づけてくれた。
それは紛れもない事実なのだ。
P5Rをやることで転職を決意した人々のnoteを見て感動したり、いやそれは悪魔の誘いかもとも思いつつ…

まあ、アクマか。
ならそれはそれで、おあつらえである。


※ある人とsnsでやりとりをしているうちにふと、2016年のあの変化に言葉をつけるなら、インターネットの資本主義化、ということなのかな、と思うようになった。違うかもしれない。
「デジタルエコノミーの本質は自由で平等な競争ではない」
…マシュー・ハインドマン「デジタルエコノミーの罠」にささげられたこの言葉を、今はちょっと思い出したりしている。
10.
OGRE YOU ASSHOLE
家の外
ここから抜け出したいのに。

自分はずっとこの場所にい続けている。なにかを待つように。そしたらバスが来て、俺を乗せて連れて行って、いつもの社員証を四角い機械にかざしている。
そしてまたこの場所にい続ける。
休職してずっと不機嫌に仕事をして、12月に本部の人間が数人辞めたことが影響し、元働いていた場所に戻された。
今担当している仕事を抱えながら、ずっとまだ、抜け出せず、いる。
何千回と見た職場の床や壁は、何かしらゆらゆらと変形し…。

OGRE YOU ASSHOLEが「homely」(2011)を出してからもう12年が経つ。
それ以降の彼らは本質的には変わっていない。そこにマンネリを感じていたりもした。
だが、いまだ彼らは日本のバンドではトップクラスで、そのCANじみた演奏技術、そして一時期のプロデューサーの石原洋やレコーディングスタジオを運営する中村宗一郎らとの薫陶で開花したセンスや文学的蓄積、それは比類ない。
それが今回4曲という短いEPの形でスリム化し、ぎゅっとフォーカスした形になった。
4曲といってもこれは前半3曲と長尺な最後の1曲で分かれていて、前半3曲はほぼ組曲形式のようなものなので、実質長尺曲2曲ともいえるだろう。
幼少期の一瞬をリリックとして抜き出した「待ち時間」「家の外」「ただ立っている」の3曲。
そのリリックは抽象化され、個々の中に打ち込まれていく。

不利な状況が動かないのに動けない自分。
風向きが悪化するばかりなのに動かないこの島の一部の権力者たち。
前時代的な戦争を止められらずただ立ち尽くす人間たち。

結局動けるか動けないかは、自分の意志次第だ。
欲望と意志。そして分析とリスク。

まだ自分はずっと立っている。



ここから抜け出したい。



まだ、抜け出せず立っている。
11.
PinkPantheress
Heaven Knows
(本来なら5位。しかし今はnewjeansのことを語りたい欲求のほうが大きいためこの順位に)
12.
betcover!!
アルバム中盤「フラメンコ」からの展開がいい。あとタイトル。
13.
Jinmenusagi
DONG JING REN(東京人)
アルバム後半2曲のエモいところがよく、高齢者には刺さる。
14.
Park Hye Jin
Sail the Seven Seas
ほぼ年末年始ギリギリの時に視聴。ちょっと心配してたけど案外よかった。
15.
LIFEGUARD
DRESSED IN TRENCHES
美しきニュースター。
more album
16
Yves Tumor/Praise a Lord Who Chews but Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)

17
JAM CITY/ JAM CITY PRESENTS: EFM

18
崇勲/Diamond&Diary

19
d4dv/Petals to Thorns

20
JUMADIBA/nobori - 上り
other album
P5R オリジナルサウンドトラック
P5 オリジナルサウンドトラック
tune
こちらからどうぞ1
こちらからどうぞ2(ラップ版)
こちらからどうぞ3(オタク版)
music video
NewJeans 'New Jeans' Official MV
event
・Giant Swan@代官山UNIT

・曽我部恵一@八広地域プラザ 吾嬬の里 本館(ブラックナードフェス)

・不吉霊二(※VJ)@WWW X(〈AVYSS X〉)
movie
1位「首」
(まー、消去法で。)

2位「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」
(まー、見た後水木しげるリバイバルしてめっちゃ「悪魔くん」とかネットフリックスで見返したんですけどね。消去法で。)

3位「GRIDMAN UNIVERSE」
(風邪ひいてる時にダイナゼオンをやっとビンジして(ムジナさいこー)、結局家で見たんですけどグリッドマン集大成で劇場でみたかったですね。ほんまに。ただ、唯一にして最大の欠点は、<怪獣優生思想>の言葉がなかったこと。怪獣優生思想は新条アカネのあのセリフからずっとあるこのトリガー版グリッドマンを地底から動かしている言葉で、それについての言及が一切なかった劇場版は、まあ、終わらせるためにあるお祭りイベントなんだよな、と。勿論エヴァよりはめちゃキレイに終われてるし、新条アカネが今回そういう役割を全くしないのでどうしようもないんだけど。この年で本当に言うことではないんだけどマジのガチの魂の本音は、俺はカップルのいちゃいちゃよりも、怪獣を求める心がもっと見たかった。)
今年読んだ本ベスト3
・井上純一「逆資本論」
・高島鈴「布団の中から蜂起せよ: アナーカ・フェミニズムのための断章」
・金山 寿甲「パチンコ(上)」

※順不同
2024年楽しみな3歳馬
・ボンドガール
・ジャンタルマンタル
・コラソンビート
まとめ
P5をずっとやっていたので、「鎖からの解放 叛逆」というワードがずっとありました。
休職明けから始まった2023年は残業統制という形で月給を削られ、
〇したいほど嫌いな上司の横にいつづけ11月までは本気で辞めてやろうと思ってましたが、
12月にあるイベントがあり元の職場にカムバック。
しかし残業統制は継続。妙な落としどころで2023年が終わろうとしてます。
(※これを書いている2023年年末現在←この時まだ全然NewJeansとか興味ない)

ゲームも音楽も僅かなトリップを促してくれるものでもあり。
もう一度タフな現実に向かい合う気力を養ってくれるものだと思うんで、
そういった10枚が選ばれてるかなあと思います。一時の解放とその終わりの儚さというか…。
アップデートとデトックスと、罠にはまらないこと。
本当に一大決心(転職)しようと思いましたが…

しいたけ占いにも「すべてのチャンスは乗っからない。それよりも、私の小さな夢をかなえていくぞ!」
と上半期はそう出ていたので、コツコツ現状を打開し、あと5年くらいで落ち着けたいです。すべてを。ほんまに。
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